骨粗鬆症・ロコモの治療と予防
大腿骨近位部骨折(転倒してから歩けなくなった)・脊椎圧迫骨折(尻餅をついてから腰が痛くなった)・橈骨遠位端骨折(手をついてから手首が変形している)は、最も頻度の高い骨折です。当院では、人工知能(AI)による脊椎圧迫骨折の補助的な診断が可能です。ひとたび圧迫骨折を起こして前傾姿勢になると、新たな圧迫骨折が生じやすくなります。疼痛による活動性低下は筋肉量低下も引き起こすため、骨粗鬆症とロコモティブシンドローム(以下ロコモ)は密接に関係しています。
予防するためには、骨粗鬆症やロコモの評価と治療が重要です。
当院では、腰椎と大腿骨とで計測する最新型の骨密度検査(DXA法)を導入しておりますので、正確な骨密度測定を短時間で行うことができます。
また、血液検査にて、ビタミンDやカルシウム、骨代謝マーカーなども計測できます。
椎体骨折または大腿骨近位部骨折があるか、そのほかの脆弱性骨折(立った姿勢からの転倒や、それ以下の外力によって発生した非外傷性骨折)+骨密度が若年成人平均値の80%未満である場合、あるいは脆弱性骨折がないものの骨密度が若年成人平均値70%以下の場合に骨粗鬆症と診断されます。
当院では、社会的背景にあわせた様々な骨粗鬆症治療薬(内服・点滴・皮下注射など)を選択することができます。
骨粗鬆症に対しては、薬物療法のみではなく、栄養状態改善や、継続的な運動による筋力維持も重要です。開院当初は難しいかもしれませんが、将来的には栄養指導も導入したいと考えています。また、当院では、能動的に筋力を維持するお手伝いを積極的に行いたいと思います。ロコモアドバイスドクター・がんロコモドクターや経験豊富な理学療法士が、個々人にあった運動プログラムを作成し、空気圧の筋力トレーニング機器でトレーニングに励みましょう。体組成計にて定期的に筋肉量を計測することでリハビリテーションを持続するモチベーションの維持に努めたいと思います。